何度か沖縄を訪れている方も、まだ老舗の魅力に触れたことがない方も、きっと心惹かれるはずです。今回は、沖縄の豊かな自然と文化に育まれた、歴史ある老舗店を厳選してご紹介します。創業から長年、地元の人々に愛され続けるお店には、他では味わえない温もりと、奥深い物語が息づいています。このリストを片手に、懐かしい沖縄の風景と、味わい豊かで奥深い味覚を巡る旅に出かけませんか?きっと、忘れられない思い出となるでしょう。
【那覇・泊】地元に愛され60年超!「軽食の店ルビー」
沖縄リピーターの方、初めてこの島を訪れるシニア世代の方々、那覇の国道58号線を走るたび、赤い看板がいつも活気に満ちているのを感じていたのではないでしょうか?
今回ご紹介するのは、1962年創業、60年以上にわたり地元の人々に愛され続ける老舗食堂「軽食の店ルビー」です。
「軽食」という控えめな店名からは想像もつかない、ボリューム満点の滋味深い料理が食べられます。そして、何よりも温かい沖縄の人情が息づくこの場所は、単なる食事処を超えた、沖縄のレジェンドなのです。
あの安室奈美恵さんも、青春時代をここで過ごしたという逸話も、この店の歴史を物語っています。ルビーの奥深い魅力に、じっくりと触れてみましょう。
昭和レトロな空間で、時が止まったかのような懐かしさに包まれる
扉を開けると、目に飛び込んでくるのは壁一面に飾られた手書きのメニュー札と、愛情たっぷりの料理の写真です。その数は優に60を超え、まるで昭和のデパートの大食堂にタイムスリップしたような、懐かしい雰囲気に心が安らぎます。
地元のお年寄りから若い世代まで、幅広い層のお客さんで賑わっている様子は、地域に根ざした老舗の証です。
注文は食券制になります。豊富なメニューに迷う時間もまた楽しいひとときでしょう。食券を購入したら、案内の人に人数を伝え、空いてる席へ案内されます。
テーブル席と座敷席が用意されているので、その日の気分に合わせて選ぶことができます。旅の疲れをゆっくりと癒せる、落ち着いた空間が広がっています。
セルフサービスのお水と共に、ぜひ味わってほしいのがルビー特製のアイスティーです。ほんのりとした甘さが、沖縄の太陽を浴びた体に染み渡ります。
驚愕のボリュームと滋味深さ!名物「Cランチ」は必食
数あるメニューの中でも、ひときわ存在感を放つのが「Cランチ」(2024年10月時点:870円)です。
巨大なトンカツ、ふっくらとしたポークたまご、昔懐かしい味わいのウインナー、優しい酸味のマカロニサラダ、シャキシャキのキャベツ、そして心温まるスープとボリューム満点でおすすめできます。
特に、大きなトンカツは、見た目のインパクトも抜群です。薄切りながらも丁寧に揚げられ、筆者も食べた事があるのですが、サクサクとした食感と豚肉の旨味が口いっぱいに広がります。
沖縄独特の酸味のあるトンカツソースとの相性も抜群で、ついついご飯が進んでしまうことでしょう。自分で切り分けるスタイルも、どこかアットホームな雰囲気をかもし出しています。
ポークたまごのシンプルながらも奥深い味わい、どこか懐かしいマカロニサラダも絶品です。洋風でありながらも出汁のような風味が香るルビーのスープは、他では味わえないユニークな一品です。
この価格でこのボリューム、そして何よりも美味しいという満足感は、まさにルビーならではの魅力と言えるでしょう。
地元の味を堪能!「ゴーヤーちゃんぷるー」と「チーズバーガー」
定番の沖縄料理「ゴーヤーちゃんぷるー」(2024年10月時点:880円)も、ルビーではぜひ味わってほしい一品です。シャキシャキ感を残しつつも、どこか家庭的な温かさのある炒め具合が特徴です。
大きくて食べ応えのある島豆腐や、豚肉の旨味がゴーヤーのほろ苦さと絶妙に絡み合い、ご飯が進むこと間違いないでしょう。
そして、ルビーの隠れた名物が「チーズバーガー」(2024年10月時点:460円)です。アルミホイルに包まれた四角いフォルムは、初めて見る人を驚かせます。
パンを開けると、そこにはハンバーグ、チーズ、玉ねぎ、きゅうりが挟まれた、まるでホットサンドのような、どこか懐かしい姿がありました。
一口食べれば、ケチャップとソースのシンプルな味わいと、ずっしりとしたハンバーグの食べ応えに、きっと虜になるはずです。テイクアウトして、宿でゆっくり味わうのも良いかもしれません。
作者の体験談
「朝食の店ルビー」は、私の青春時代と社会人初期の思い出の場所です。学生時代は、ボリューム満点でおいしい料理にいつも満たされました。
社会人になり内地からの上司を案内した際も、店の温かさのある雰囲気のおかげで、コミュニケーションが円滑に進み助けられました。ルビーは私にとって、ただの食堂ではなく、温かい思い出が詰まった特別な場所です。
【恩納村】24時間営業の老舗レストラン「シーサイドドライブイン」
恩納村の美しい海沿いに佇む「シーサイドドライブイン」は、1967年に県内初のドライブスルーレストランとして開業しました。
古き良きアメリカを彷彿とさせるその雰囲気は今も変わらず、長きにわたり地元の人々や観光客に親しまれています。沖縄の歴史と文化、そして温かい人々の想いが溶け合うこの場所は、懐かしい空間と目の前に広がる絶景の海が魅力です。
訪れる人々にとって、忘れられない沖縄の思い出を心に刻む特別な存在と言えるでしょう。
海と音楽とバイク。心ときめくレトロ空間へのタイムトリップ
一歩足を踏み入れると、目の前に広がるのは、どこまでも続く青い海。特に窓際の席は特等席です。潮騒をBGMに、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
店内を彩るのは、オーナーが愛情を込めて集めたという、ピカピカに磨かれた旧車バイクたちです。往年の名車たちが放つ存在感は、バイク好きならずとも心を奪われます。
懐かしいジュークボックスからは、時代を超えて愛されるメロディーが流れ出し、ノスタルジックな雰囲気を一層高めることでしょう。まるで、古き良きアメリカ映画の中に迷い込んだような、ユニークな空間が広がっているのです。
五感を満たす味わい。「スープ」と「黄色いビーフカレー」を楽しむ
豊富なメニューの中でも、絶対に味わってほしいのが、 評判の高い存在感を放つ「スープ」(300円)です。
一見クラムチャウダーのようなクリーミーな見た目からは想像もつかない味わいです。豚骨ベースの奥深い出汁と、優しいクリームのハーモニーは、まさにここでしか味わえないユニークな一品になります。
地元の人々の間では、たっぷりのブラックペッパーをかけるのが定番です。その刺激が、スープの旨みをいっそう引き立てます。
もう一つの名物が「黄色いビーフカレー」(900円)です。沖縄の陽気な雰囲気をそのまま閉じ込めたような、鮮やかな黄色いルーは、見た目にも食欲をそそります。
口に運ぶと、スパイスの香りが広がりつつも、どこか懐かしい、優しい味わいが特徴です。
筆者も食べた事があるのですが、柔らかく煮込まれた牛肉と、シンプルながらも丁寧に調理された野菜の旨みが溶け出し、食べ進めるほどに深い味わいに引き込まれます。ボリュームも満点で、食べ終わった後の満足感は格別です。
海風を感じながら、テイクアウトで味わう沖縄の味。「シーサイドサンド」
ドライブの休憩や、ちょっとした腹ごしらえには、テイクアウトメニューもおすすめです。中でも人気なのが「シーサイドサンド」(550円)です。ワックスペーパーに包まれたシンプルな形で出されますが、その味は格別です。
新鮮なレタス、トマト、ベーコン、ハム、チーズを、ほんのり温かいパンでサンドしています。
酸味の効いたマヨネーズが、全体の味を引き締め、 海の空気を感じながら味わうサンドイッチは、格別な味です。
作者の体験談
「シーサイドドライブイン」は、社会人の頃、研修前の緊張を癒してくれた思い出深い場所です。海の香りと温かいスープが、不安を溶かしてくれました。
今では、家族で北部へ行く際の定番の場所で、お気に入りのスープをテイクアウトするのが恒例です。緊張を解き放ち、大切な思い出が詰まった、私にとって特別な給油所なのです。
まとめ
沖縄の歴史と人々の温もりに触れる老舗店巡りへ出かけてみませんか?那覇の「軽食の店ルビー」では、地元で愛されるボリューム満点の懐かしい味わいを堪能できます。
恩納村「シーサイドドライブイン」では、海の景色を眺めながら、評判の料理とレトロな空間が旅の思い出を彩ります。時を超えて愛される二つの名店で、沖縄の魅力に深く触れる旅をしてみませんか。きっと忘れられない出会いが待っています。
コメント