青い海に白い砂浜、そして心躍る音楽――JALの沖縄キャンペーンCMソングには、旅のワクワク感を何倍にもしてくれる名曲の数々が詰まっています。この記事では、夏の沖縄の雰囲気にぴったりな歴代CM曲を厳選してご紹介します。青い海と白い砂浜にマッチする音楽が、あなたの旅をもっと素敵に彩ってくれるでしょう。
第1章:JAL沖縄キャンペーンってなに?〜空と音楽で届ける沖縄の魅力〜
JAL(日本航空)は、1970年代から夏の旅行シーズンに合わせて「沖縄キャンペーン」を展開してきました。これは、沖縄への観光需要を高めるためのプロモーションで、テレビCMやポスター、イベントなどを通じて沖縄の魅力を全国に届けてきたものです。
特に注目されたのが、毎年CMに起用されるキャンペーンソングでした。
このCMソングは単なるBGMではなく、沖縄の海や空のイメージ、旅のワクワク感をぎゅっと詰め込んだ「聴く風景画」のような役割を果たしていました。
名曲が多く誕生した背景には、旅と音楽がもつ強い感情の結びつきがあります。空港に向かう道中、機内、そして現地で流れる音楽は、そのまま旅の記憶とリンクし、何年たっても心に残るものとなるのです。
特にJALが選んだ楽曲は、その時代のトレンドを反映しながらも、沖縄の風土や空気感と絶妙にマッチするよう工夫されていました。
南国の解放感、夏の高揚感、ノスタルジー――それらを音楽にのせて先取りできるからこそ、これらのCM曲は長年愛されているのです。
第2章:空の旅が恋に変わる「浪漫飛行」(米米CLUB)

1990年のJAL沖縄キャンペーンで使用されたのが、米米CLUBの「浪漫飛行」です。この楽曲はCMと共に一躍注目を浴び、のちにリリースされたシングルバージョンはミリオンセラーとなる大ヒットを記録しました。
まさにJAL沖縄キャンペーンと共に社会現象となった一曲です。
「浪漫飛行」が多くの人の心を掴んだ理由は、その非日常感にあります。
イントロから漂う透明感のあるメロディ、伸びやかな歌声、そして“君と出会ってから いくつもの夜を語り明かした”という歌詞――日常を抜け出し、どこか遠くへ飛んでいく、そんなイメージを抱かせてくれる一曲だと私は思いました。
まさしく「旅に出たくなる音楽」と多くの人々に感じさせる楽曲かと思われます。
JALのCM映像では、沖縄の空と海の青を背景に、エスニックな装いの米米クラブのメンバーたちによる幻想的な南国感を彷彿とさせるシーンが展開されます。
その映像と「浪漫飛行」が見事にシンクロし、旅の高揚感とときめきを視覚と聴覚でダブルに届けてくれました。
今でもこの曲を聴くと、青い空、白い雲、そして沖縄の海のきらめきが脳裏に浮かぶという人は多いのではないでしょうか。そんな旅の記憶を呼び起こす力が、「浪漫飛行」にはあります。
令和の現代で沖縄旅行を満喫する方々の気分にもきっとマッチする夏の定番ソングです。
第3章:情熱と哀愁のリズム「藍より青い海」(上々颱風)
1991年に放送されたJAL沖縄キャンペーンのCMで使用された「藍より青い海」は、独特の世界観とともに聴く人の心に深く染みわたる名曲と言えます。
この曲を歌うのは、上々颱風(シャンシャンタイフーン)です。私としては、アジア各地の音楽要素を取り入れた民族音楽的なサウンドを手掛けてきたバンドという印象を強く持っています。
そんな彼らが奏でる「藍より青い海」は、沖縄という土地の持つ多文化的な背景と絶妙に融合し、他にはない印象を残す音楽と言えるでしょう。
この楽曲の魅力は、どこか哀愁を帯びた旋律の中に感じられる、ゆるやかであたたかなリズムにあると言えます。まるで島の風景そのものが音になったかのように、白い砂浜や揺れるハイビスカスの景色が自然と浮かび上がるのではないでしょうか。
この曲を聴いての私個人の感想ですが、時間の流れさえもゆったりと感じさせるその曲調は、まさに沖縄の“チムグクル(心)”を映し出しているかのようです。
沖縄旅行で日常の喧騒を忘れ、心も体も解放したいという方にとって「藍より青い海」は音のリゾート体験となるはず。目を閉じて耳を澄ませば、心はいつしか青い海の向こうへ。深呼吸をしたくなる音楽で、沖縄の空気に包まれてみませんか?
第4章:潮風を感じるアクティブな一曲「SAILOR MAN」(チャゲ&飛鳥)

1987年のJAL沖縄キャンペーンでは、当時絶大な人気を誇ったチャゲ&飛鳥(CHAGE and ASKA)が歌う「SAILOR MAN」がテーマソングとして採用されました。
この曲を聴いて私は、まさに夏の沖縄でアクティブに過ごしたい旅行者にぴったりの一曲と思いました。軽快なリズムと爽やかなメロディが、旅先での高揚感を一気に引き上げてくれるようです。
タイトル通り、“セイラーマン=航海者”のように、新しい風を求めて進む旅人の背中をそっと押すような楽曲と言えるのではないでしょうか。
車の窓を開けて潮風を浴びながら海沿いをドライブしたり、サーフィンを楽しんだりするシーンに自然と溶け込む音楽と言えます。特に、晴れた夏空の下でこの曲を聴けば、まるで青春映画のワンシーンのような気分になれるのではないでしょうか。
80年代のテイストを残しつつも古さを感じさせない、そんな感想を抱く方も少なくないのではないでしょうか。それは歌詞とメロディに込められたエネルギーのおかげであるように思えます。
まるで、沖縄の広い空、青い海、そしてキラキラ輝く太陽があなたを待っているような気にさせてくれる一曲と言えるでしょう。
アクティブな旅を満喫したい方には間違いなくおすすめのサウンドです。
第5章:南国の午後にぴったり「楽園をめざして」(風味堂)
2005年のJAL沖縄キャンペーンCMで流れたのが、風味堂の楽曲「楽園をめざして」です。実際にこの曲を聴いてみて、忙しい日常からふっと抜け出したくなる瞬間に、まさにぴったりな一曲と思えました。
柔らかくて優しいメロディが、聴く人の心をふんわりと包み込み、思わず深呼吸したくなるような安らぎを与えてくれることでしょう。
リズムは控えめで穏やかに聞こえることでしょう。それがかえって、沖縄の離島ステイやスローな時間の流れる旅にぴったり寄り添ってくれる、そんな印象を抱かせます。
賑やかな観光地を巡るというよりも、誰にも邪魔されないビーチで波の音を聞きながら過ごす──そんな静かな午後にしっくりハマりそうな一曲ではないでしょうか。
まるで、心の内側にある“楽園”をそっと照らしてくれるような、“音の癒し”の力があるように感じさせます。
派手さはないけれど、BGMとして流すだけで旅の満足度がぐんと上がりそうに思えませんか? そう感じさせるのは、メロディと歌声に込められた温かさと、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気のおかげかもしれません。
「楽園をめざして」は、旅先で肩の力を抜き、心からリラックスしたい方におすすめしたい、まさに南国の午後に寄り添う名曲です。
第6章:原点にして神曲!「愛を描いて」(山下達郎)
JAL沖縄キャンペーンソングの“原点”といえば、やはり山下達郎の「愛を描いて〜LET’S KISS THE SUN〜」を外すわけにはいきません。
1977年から1979年にかけて使用されたこの曲は、CMの舞台を彩ると同時に、“旅情を感じるシティポップの名曲”としても高く評価されています。
実際に聴いてみた感想としては、達郎サウンドならではのクリアなコーラスと流麗なギターリフが、夏の沖縄の空気感と見事にシンクロするかのようでした。
夕暮れ時、ビーチで潮風を感じながらこの曲を聴けば、日が沈んだあとの余韻までもが満喫できることでしょう。
心のどこかがキュッとするような、ノスタルジーの詰まったメロディは、まさに“旅の最後の一幕”にふさわしい情緒を運んでくる曲のように、私には思えました
今なお根強い人気を誇るこの曲は、リリース時期から考えるとシティポップの草分け的存在とも言えるでしょう。どこか懐かしく、けれど色あせない名曲は、沖縄で過ごした思い出をより一層美しいものに変えてくれるはずです。
「旅の余韻を大切にしたい」という方には、間違いなく心に響く一曲です。
まとめ

JAL沖縄キャンペーンのCMソングには、単なる宣伝を超えた“旅の情感”や“沖縄らしさ”が見事に詰め込まれていました。
旅行の準備をしている時も、旅の途中も、そして帰ってきてからも──名曲たちはあなたの旅の思い出に彩りを添え、沖縄の空気をそっと思い出させてくれます。
夏の沖縄をもっと楽しみたいなら、ぜひお気に入りの一曲を見つけてみてください。それだけで、きっと旅が何倍も豊かになります。
あとがき
JAL沖縄キャンペーンソングは、沖縄旅行のCMソングという意味合いだけでなく、まるでその年の夏のイメージを象徴しているかのような、そんな印象を私に与えるものでした。
そんな中で、私にとってトップクラスだったイメージCMは米米クラブが担当した1990年版でした。
その年のCMキャッチコピーは「夏離宮」、離宮とは王族など高貴な身分の方が休暇に用いる宮殿を意味しており、その年は「まるで離宮で優雅に過ごしているみたいな気分で夏休みを過ごせたなあ」と記憶しています。
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