沖縄県南城市が2025年11月28日に「焼酎特区」として認定され、地域の農業と酒造りに新たな歴史が刻まれました。この特例により南城市産の米を原料とした小規模な泡盛製造が可能となり、新会社「株式会社LANDO」が県内48番目のメーカーを目指して始動しています。本記事では、初回委託品として早くも話題を集めている「Twilight」も登場。酒好きはもちろん、観光客からも注目を浴びるその魅力を紹介します。
南城市が「焼酎特区」に認定!小規模製造への扉が開く
2025年11月28日、南城市が申請していた「焼酎特区」が国から正式に認定されました。この認定は構造改革特区制度に基づくもので、これまで大きな壁だった製造数量の制限が緩和される画期的な出来事です。
通常、泡盛などの単式蒸留焼酎を製造するには、年間で10キロリットル以上を生産することが義務づけられています。今回の特区認定により、この基準が適用されなくなり、小規模な事業者でも自社で酒を製造できるようになります。
- 認定日は2025年11月28日で、内閣府から発表が行われました。
- 南城市産の米を主原料とすることが条件となっており、地域の農業振興を兼ねています。
- これにより「南城市でしか飲めない酒」といった希少性の高いブランディングが可能となります。
この特区制度の活用は、全国でも泡盛の製造を想定したものとしては初の事例として注目されています。農業と観光を融合させた新しい地域振興のモデルケースとして、地元住民だけでなく沖縄全体の酒造業界からも期待が寄せられています。
小規模だからこそできる、こだわり抜いた酒造りがここから始まります。
新会社「株式会社LANDO」が目指す48番目の泡盛メーカー
この焼酎特区認定の動きと並行して、南城市で新しい風を吹かせているのが株式会社LANDOです。同社は南城市を拠点とし、沖縄県内で48番目の泡盛メーカーとして登録されることを目標に掲げています。
既存の酒造所とは異なる、新しい感性での酒造りを目指しています。代表の熱意により立ち上がったこのプロジェクトは、単にお酒を造るだけではなく、南城市の豊かな自然や歴史を一本のボトルに詰め込むことをコンセプトにしています。
現在は自社工場の稼働に向けた準備を進めつつ、製造免許の取得を予定している段階です。地域に根ざした新しい産業の創出として、地元からの支援も厚くなっています。
- 社名のLANDOには、土地(Land)に根ざし、人々に寄り添う思いが込められています。
- 県内48番目の泡盛メーカーを目指し、伝統を守りつつ革新を続けています。
- 南城市に伝わる「天親田(アマウェーダ)」の伝説を取り入れ、地域の歴史や文化を感じられるようなストーリー性にも力を入れています。
製造免許の取得が完了すれば、南城市内に新たな蒸留所が誕生することになります。そこでは製造工程の見学や試飲など、観光客が直接「造り手の思い」に触れられる場所になる予定です。
幅広い層に愛される、新しい泡盛のスタンダードがここ南城市から発信されようとしています。
南城市産のお米が主役!テロワールを表現する酒造り
今回の取り組みで最も重要な要素が、南城市産の米を原料として使用することです。
南城市は沖縄における稲作発祥の地とも言われており、その歴史ある土地で収穫されたお米を使うことで、その土地ならではの味(テロワール)を表現しようとしています。
特選された地元の米を使うことで、輸入米が主流の現在の泡盛業界に一石を投じ、付加価値の高い「地酒」としての地位を確立しようとしています。
また耕作放棄地の解消や若手農家の育成にもつながるため、お酒を飲むことがそのまま地域の応援になるという素晴らしい循環が生まれています。
▼ 南城市焼酎特区によって何が変わったのかを、通常制度と比較したのが下記の表です。
| 項目 | 通常ルール | 南城市焼酎特区 |
|---|---|---|
| 最低製造数量 | 10キロリットル/年 | 制限なし(特例適用) |
| 主な原料 | 指定なし(タイ米等) | 南城市産の米 |
| 事業者の規模 | 中・大規模が中心 | 小規模事業者も参入可能 |
このように特区を活用することで、大量生産ではなく「質の追求」に重きを置いた酒造りが可能となりました。南城市の米から生まれる泡盛は、独特の甘みと芳醇な香りが特徴になると予想されており、すでに多くの専門家がその酒質に注目しています。
地域の誇りを原料に込めた、まさに「南城市の魂」ともいえるお酒です。
初回委託製造酒「Twilight」44度の魅力と制作秘話
自社蒸留所の完成を前に、株式会社LANDOが先行して世に送り出したのが、初回委託製造品の泡盛「Twilight(トワイライト)」です。
このお酒は、沖縄県島尻郡伊是名村にある老舗の伊正名酒造に協力してもらい、LANDOのメンバーが現地で製造に携わって誕生しました。
アルコール度数は44度と高く、力強い飲みごたえがありながらも、繊細な香りが共存する逸品です。注目すべきは、泡盛鑑評会で「ブレンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した経験を持つトップクラスの技術者が製造責任者を務めている点です。
プロの技と新しい情熱が融合した、今しか飲めない特別な一本に仕上がっています。
- 商品名の「Twilight」には、新時代の夜明けと曖昧な挑戦の状態という意味があります。
- アルコール度数は44度で、長期熟成にも耐えうる力強い酒質を持っています。
- 製造は伊是名酒造の設備を借り、徹底した品質管理のもとで行われました。
~株式会社LANDOの初回委託製造泡盛「Twilight」。英語のTwilightには南城市にて焼酎特区認定を目指す状況、そしてこれから新しく泡盛を造っていこう、という夜明けのようなイメージを込めて名付けられました。本製品の製造責任者は2021年、2025年の泡盛鑑評会にて「ブレンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した業界でもトップレベルの技術者です。~
初回限定で製造されたこの商品は、オンラインショップや県内のセレクトショップですでに販売が始まっています。
栓を開けた瞬間から刻一刻と表情を変える香りを楽しむことができ、ロックや水割り、ストレートなど様々な飲み方でその深い味わいを堪能できます。コレクターの間でも話題となっており、完売必至のアイテムです。
南城市観光の新定番!酒造所を核とした地域活性化の未来
南城市に誕生する新しい酒造所は、単なる製造拠点ではなく、新たな観光スポットとしての役割も期待されています。
斎場御嶽やニライカナイ橋といった人気スポットを巡る観光客にとって、地元の米で造られたお酒を楽しめる場所は、旅の大きな魅力の一つになるでしょう。
自分の手で関わったお酒が熟成していくのを待つ時間は、再訪のきっかけにもなり、リピーターの増加に寄与します。お酒を通じた人々の交流が、南城市に新しい賑わいをもたらすことは間違いありません。
- 酒造所を核とした大人の社会科見学ツアーなどの展開が期待されています。
- 地元のレストランや宿泊施設との連携により、食と酒のペアリングが楽しめます。
- お土産品としての「南城市ブランド」を強化し、地域全体の経済活性化を図ります。
南城市の焼酎特区認定と株式会社LANDOの挑戦は、まだ始まったばかりです。しかしその一歩一歩が、沖縄の伝統文化である泡盛を次世代へつなぐ大切な架け橋となっています。
2026年、南城市を訪れる際は、ぜひこの新しい酒造りの現場に注目してみてください。そこには、黄金色に輝く稲穂と、それを愛おしく醸す人々の情熱が溢れています。
まとめ
南城市の挑戦は、伝統ある泡盛の世界に新しい風を吹き込んでいます。特区認定によって実現する「お米作りから始まる酒造り」は、地域の農業を守り、誇りが詰まった最高の一杯を生み出すための大切な一歩です。
お酒が好きな方はもちろん、沖縄の新しい物語に触れたい方にも、この熱いプロジェクトをぜひ現地で体感してほしいと思います。南城市でしか味わえない贅沢なひとときを、あなたも一緒に楽しんでみませんか?
あとがき
南城市の豊かな土壌が生み出すお米と、造り手の情熱が重なり合って生まれる新しい泡盛。特区認定という大きな一歩は、沖縄の酒造り文化に新たな可能性を示してくれました。
地域一丸となって醸されるお酒には、単なる飲料以上の物語が詰まっています。この記事をきっかけに、南城市の美しい景色を思い浮かべながら、新しい泡盛の誕生を楽しみにお待ちいただければ幸いです。


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