嘉手納町においでよVol.1|穴場スポットでのんびり観光体験

観光客・沖縄ファン

沖縄の観光地と聞いて思い浮かべるのは、那覇や美ら海水族館かもしれませんが、実はそれだけではありません!沖縄本島のほぼ中央にある「嘉手納町」には、ちょっと違った魅力がぎゅっと詰まっています。道の駅から眺める米軍基地の風景、自然に包まれた川や海、そして地元ならではの名産品。のんびり歩けば、沖縄の素顔にふれるような旅になるはずです。今回は、そんな嘉手納町の魅力を5つのテーマでご紹介します。

1. 嘉手納町ってこんなところ!

嘉手納町は、沖縄本島の中部に位置し、北谷町や読谷村に隣接する小さな町です。人口はおよそ1万3千人(令和7年2月末時点)と多くはありませんが、町の面積の約8割が米軍嘉手納基地に占められているという、全国的にも珍しい特徴を持っています。

そのため、町内を歩いていると日本とアメリカの文化が自然と入り混じった独特の風景が広がります。英語の看板や外国人向けの飲食店が並ぶ様子は、まるで異国に来たかのような感覚を味わえるかもしれません。

とはいえ、観光で訪れる人にとっては、基地の存在以上に注目してほしいものがあります。それは、町が持つ穏やかな空気と自然の豊かさ、そして地元の人々の温かさです。

嘉手納町の中心部にはコンパクトながらも個性ある飲食店や商店が点在し、観光地化されすぎていない、のんびりとした空気が流れています。散歩をしながら、地元の暮らしぶりを感じ取れるのも大きな魅力です。

さらに、「嘉手納」という地名の由来については定かではありませんが、一説によると、「カリー(縁起が良い)」と「ナ(土地)」を組み合わせた言葉が、時間をかけて「カデナ」になったと伝えられています。

この地名には、土地に対する古い歴史的な意味が込められていると考えられています。地域の成り立ちに触れることで、嘉手納の奥深さをより感じることができるでしょう。

2. 道の駅かでな、展望台から見える“非日常”

嘉手納町に来たなら、まずは「道の駅かでな」へ立ち寄ってみましょう。この道の駅は、嘉手納基地のすぐ隣にあり、屋上にある展望台からは滑走路や軍用機の離着陸風景を一望できます。

まるで映画のワンシーンのような光景が広がっており、国内ではなかなか体験できない“非日常”を味わえるスポットです。

とはいえ、道の駅かでなはそれだけではありません。館内には嘉手納基地の歴史や現状について学べる展示室があり、観光と平和学習の両方を体験できます。

また、軽食コーナーにはいくつかのテナントがあり、沖縄ならではの味を手軽に楽しむことができます。

オススメのテナント一覧

  • ロータリードライブインアップキティ – オススメは「昔ながらのジャンボチーズバーガー」
  • なーび屋 – オススメは豊富な種類の「サーターアンダギー」
  • GOLDEN WINGS CHICKEN. – オススメは全7種類の味がやみつき必至な「チキン」

お土産コーナーもあり、戦闘機に関するグッズやTシャツやキャップなどの米軍関連のグッズ揃っています。ドライブの途中に立ち寄るのはもちろん、1〜2時間ほどの滞在でも十分に満喫できる施設です。

旅の最初に訪れても、最後に立ち寄っても満足できること間違いなしです。

3. 嘉手納の自然スポット

嘉手納町には、観光ガイドにはあまり載っていない自然スポットが多くあります。代表的なのが「比謝川(ひじゃがわ)」です。

この川では、マングローブ林を間近に眺めながら楽しむカヤック体験が人気で、沖縄の自然を体感できるアクティビティとして注目されています。

ゆったりと川を下ると、鳥のさえずりや木々の揺れる音が心地よく、まるで時間が止まったようなひとときを過ごせます。特に早朝や夕暮れ時のツアーは、空の色の変化や水面の反射が美しく、自然の神秘をより深く感じられると評判です。

嘉手納町の海辺には、地元の人たちに親しまれている「兼久海浜公園」があります。子どもが遊べる遊具や芝生広場、のんびり散歩できる遊歩道などが整備されており、家族連れやカップルでのんびりと過ごすのにぴったりです。

夕方には海に沈む夕日が美しく、思わずシャッターを押したくなるような光景が広がるでしょう。観光地として大きく取り上げられることは少ないですが、地元の生活を感じられる、落ち着いた時間が流れる場所です。

観光地としてはまだあまり知られていないからこそ、静かで落ち着いた時間を楽しめるのが嘉手納の自然の魅力です。華やかなリゾートとはまた違った、地元に寄り添うような旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

大きな観光地に疲れた人にこそ、ぜひ訪れてほしい癒しのスポットです。

4. 野國總管とサツマイモの物語

嘉手納町は、実はサツマイモの文化とも深い関わりがあります。その背景にあるのが、町の歴史的人物である野國總管(のぐにそうかん)の存在です。

彼は17世紀初頭、進貢船で中国へ渡り、そこでサツマイモと出会います。そしてその栽培法を持ち帰り、沖縄に広めたことで、当時の飢饉から多くの人々を救ったと言い伝えられています。

この出来事は後に沖縄全体へと影響を及ぼし、サツマイモは島の大切な作物となったのです。この功績を称えて、嘉手納町では現在も「野國總管」を偲ぶ記念碑や案内板が整備されており、地域の人々の誇りとして語り継がれています。

また、毎年秋頃には「野國總管まつり」が開催され、地元の子どもたちによる演舞や、サツマイモにちなんだ展示、地域芸能の発表などが行われます。

この祭りは、歴史を学びつつ町の活気を体感できるイベントとして、観光客にも人気です。

加えて、嘉手納町では地域の伝統文化も色濃く残っており、エイサー演舞や獅子舞といった伝統芸能が、地域のつながりを支えています。

観光で訪れる人にとっても、そうした文化に触れることは、旅の記憶をより豊かにしてくれるでしょう。歴史と文化が息づく嘉手納町の魅力を、ぜひ感じてみてください。

5. 基地のまちに残る記憶

嘉手納町を訪れると、どこか「非日常」の空気を感じるかもしれません。それはやはり、町の大部分を占める米軍嘉手納基地の存在があるからでしょう。展望台から見える滑走路や、日常的に飛び交う軍用機の音は、他では味わえない風景です。

目の前に広がるその光景は、観光地としての珍しさと同時に、複雑な歴史の存在を私たちに静かに語りかけてきます。

しかし、この基地の風景の裏には、沖縄戦や戦後の占領という重い歴史があることも忘れてはいけません。道の駅かでな内には、嘉手納基地の歴史を学べる展示もあり、観光の合間に少し立ち止まってその背景を知ることができます。

展示パネルや映像を通して、普段は目にしにくい過去と向き合うことができる貴重な場所です。平和とは何かを考える小さなきっかけになるはずです。

そして何より、ここで暮らす人々の日常こそが、この町の本当の姿です。

基地に隣接するという特殊な環境の中で、地域の人々は祭りや学校行事、商店街のにぎわいなど、確かな日々の営みを紡いでいます。観光客として訪れるさは、その生活に敬意を持ちつつ、町の魅力を受け取ることが大切です。

歴史と共に生きる町・嘉手納を知ることは、沖縄の今を知ることにもつながるのです。

まとめ

嘉手納町は、沖縄の中でも特別な魅力を持つ場所です。基地と自然、歴史と現代が交錯するこの町では、静かな時間が流れています。

観光地としての側面だけでなく、地元の人々が大切にしてきた文化や歴史も感じられるスポットがたくさんあります。嘉手納町を訪れることで、沖縄の奥深さと、地域に根ざした暮らしに触れることができるでしょう。

ここでの体験が、あなたの旅をより豊かなものにしてくれるはずです。

あとがき

この記事を執筆している私も、嘉手納町で仕事をしている身です。この町は、どこか懐かしく、心を落ち着けてくれる場所です。

毎年開催される「野國總管まつり」では、地元の人々と一緒に楽しむことができ、町の活気を肌で感じることができます。

そして、日々聞こえる軍用機の轟音は、まるでこの土地が持つ歴史の重みを語りかけてくるようで、決して戦争の記憶を忘れることなく、私たちにその存在をまざまざと教えてくれます。

嘉手納町でのひとときは、ただの観光ではなく、深い思索を促す貴重な体験となることでしょう。

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