2019年の火災で焼失した沖縄の象徴・首里城正殿は、「見せる復興」をテーマに復元工事が進められています。完成目標は2026年秋ですが、2025年12月現在、すでに正殿の姿を間近で見ることができます。復元の過程を体感できる今こそ、沖縄旅行で歴史的瞬間に立ち会える絶好の機会です。本記事では、最新の進捗と観光で注目すべきポイントを紹介します。
復元の「今」を知る!2025年12月時点の正殿の進捗状況
首里城正殿の復元工事は、2026年秋の完成に向けて佳境を迎えています。2025年12月現在、最も注目すべき進捗は、正殿を覆っていた巨大な仮設の建物である素屋根(すやね)の解体が完了し、正殿の優美な外観が約6年ぶりに姿を現している点です。
沖縄総合事務局や国営沖縄記念公園の発表によると、正殿本体の木工事が一段落し、外装工事が完了したことに伴い、2025年10月末までに素屋根の撤去が完了しました。これにより焼失前と同じ鮮やかな赤色の正殿が、首里の空の下に堂々とそびえ立っています。
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素屋根の解体完了:2025年10月末までに完了し、外観が一般から見えるようになりました。
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外観工事の完了:屋根の鬼瓦や正面を飾る唐破風妻飾の設置も進み、外観はほぼ完成しています。
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内部工事へ移行:外装が完了したため、現在は主に内部の漆(うるし)の塗装や装飾、そして「御差床(うさすか)」(玉座)などの内部造作が進行中です。
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両廊下の着工:正殿と並行して、左右に伸びる両廊下(南之廊下、西之廊下)の建方工事も本格的に始まっており、正殿と共に2026年秋の完成を目指しています。
この段階は、復元工事の中でも最も劇的な変化が見られる時期です。復元の職人たちの巧みな手仕事が結集し、一度は失われた琉球王国の象徴が、まさに私たちの目の前で蘇っています。
~2025年10月末、復元が進められている正殿を工事中に覆っていた「素屋根(すやね)」と呼ばれる仮設の建物が取り払われた。それによって、焼失から6年、ついに鮮やかな赤色の正殿がお目見えした。すでに外観の工事は完了していて、内部での復元作業が続けられている。~
しかし、外観は完成していますが、正殿内部はまだ立ち入り禁止であり、復元が完了し一般公開されるのは2026年秋の予定となっています。
見せる復興:今しか体験できない首里城観光の魅力
首里城の復元工事は、単に建物を元に戻すだけでなく、その過程を公開する「見せる復興」をテーマに進められています。これは、復元に携わる職人たちの技術や、琉球王国の建築文化を後世に伝える貴重な機会となっています。
観光客は、現在進行形の復元現場を間近で見学することが可能です。これは完成後には決して見ることのできない、極めて特別な体験です。
復元工事エリアの最新見学ポイント
首里城公園では、復元現場を間近で見学できるエリアや情報展示が充実しています。沖縄観光を計画する際には、これらのポイントをチェックリストに加えてみてください。
- 見学デッキ: 正殿の正面に近い場所から、外観が完成した正殿を間近に見学できます。特に素屋根がなくなった今、その迫力は圧巻です。
- 北側見学通路: 正殿を取り囲む工事用の仮囲いの一部に設置されており、様々な角度から正殿の姿や、工事の詳細パネルを見ることができます。
- 大龍柱(だいりゅうちゅう)の加工: 正殿の正面に設置される予定の龍の柱「大龍柱」の加工作業についても、情報が公開されています。繊細な漆や彫刻の技術を垣間見ることができます。
この「見せる復興」のコンセプトは、歴史や文化財の再建プロセスを共有することで、観光客だけでなく、地元住民の復興への意識と一体感を高める役割も担っています。
また、復元過程で使用される沖縄県産の木材や伝統技術がどのように活用されているかを知ることは、観光の満足度を一層高めるでしょう。沖縄を訪れる際は、単なる「観光地」としてだけでなく、「復興の現場」として首里城を訪れることをお勧めします。
完成までのロードマップ:2026年秋を目指す今後の工程
首里城正殿の復元は、2026年秋の完成を目指して、残りの工程が着々と進行中です。外観の骨組みと屋根、外壁の設置は完了したものの、琉球王国の威厳を象徴する内部の装飾と周辺施設の整備が今後の主要な作業となります。
正殿内部と周辺施設の今後の予定
今後の復元工程は、主に伝統技術を要する内部の仕上げに焦点が当てられます。
| 時期(目安) | 主要な工事内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 2025年12月~ | 正殿内部の漆塗り・彩色 | 御差床(玉座)上部の天井額木などに漆と色彩を施す |
| 2026年初頭~ | 両廊下(南之廊下・西之廊下)の軒回り工事 | 瓦葺きや塗装が順次進行 |
| 2026年秋 | 正殿本体・両廊下の完成 | この時点での一般公開を目指す |
| 完成後 | 残りの建物・施設(北殿・南殿など)の復元 | 正殿完成後も復元事業は継続 |
特に内部の漆塗りや彩色は、琉球王国の時代から受け継がれてきた伝統的な技法と材料が用いられます。この工程は時間がかかる上に、高い技術が求められるため、宮大工や漆工芸の職人たちの手によって慎重に進められています。
また、正殿の両側に位置する南之廊下と西之廊下も、正殿と一体となって完成を迎える予定です。廊下の復元が本格的に始まったことは、最終目標である2026年秋の完成が近づいている確かな証拠と言えます。
観光客は、工事現場に設置されたパネルや動画を通して、これらの繊細な作業の一端を知ることができます。復元工事のニュースを随時チェックし、完成までのカウントダウンを楽しむのも、今だけの観光の醍醐味です。
観光客が知っておくべきアクセスと注意点
首里城公園は、正殿の復元工事が進む中でも守礼門や園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、そして広福門などは見学可能です。
しかし、工事期間中は通常時とは異なる点があるため、事前にアクセスや見学のルールを確認しておくことが快適な観光に繋がります。
首里城観光計画のチェックリスト
特に2025年12月現在、正殿の外観が見えるようになったことで、多くの観光客が訪れることが予想されます。
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駐車場とアクセス: 工事期間中は一部の駐車場や通路が利用できない場合があります。公共交通機関(モノレール首里駅など)の利用も検討しましょう。
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開園時間: 首里城公園の開園時間や、有料区域、見学デッキの公開時間については、必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
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見学時の安全: 工事現場周辺は安全確保のため、立ち入り制限や見学ルートが設けられています。必ず係員の指示に従い、工事車両や作業に注意を払う必要があります。
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写真撮影のルール: 工事現場や作業員への配慮から、一部撮影が制限される場合があります。ルールを守って撮影しましょう。
沖縄県では、首里城の復興支援の一環として、様々なボランティア活動や関連イベントも実施されています。例えば、赤瓦の原料となるシャモット(粉末)製作ボランティアなどです。
単に観光するだけでなく、こうした復興への取り組みに注目し、少しでも支援の気持ちを持って訪れることが、より深い感動と充実した旅の思い出になるでしょう。
未来へ繋ぐ琉球のシンボル:復元が持つ歴史的意義
首里城正殿の復元は、単なる一つの建物の再建にとどまりません。それは、琉球王国が育んできた独自の文化、技術、そして沖縄のアイデンティティを未来へ繋ぐ、極めて大きな歴史的意義を持っています。
首里城は、過去に何度も焼失と再建を繰り返してきました。直近では、1945年の沖縄戦で焼失し前回の復元が完了したのは2019年でした。今回の復元は、その歴史の連続性の中に位置づけられます。
復元事業がもたらす長期的な価値
今回の復元事業が、観光客や地元住民にもたらす価値は多角的です。
- 伝統技術の継承:琉球建築の木組みや漆工芸など、途絶えかねない伝統技術や宮大工の育成機会となっています。
- 地域経済への貢献:観光客の誘致だけでなく、復元資材の調達や職人の雇用を通じて、地域経済に貢献しています。
- 防災への教訓:火災の原因究明と対策が徹底され、今後の文化財保護に対する防災意識が大きく高まりました。
特に「見せる復興」により、伝統技術を肌で感じる機会が増えたことは、文化教育的な価値が非常に高いと言えます。復元に使われる木材一つ、塗られる漆の一筆に至るまで、全てが歴史と技術の結晶です。
完成した正殿は、その威容をもって再び沖縄のシンボルとなりますが、その背後にある人々の情熱と復興への道のりこそが、最も感動的な物語です。
観光を計画される皆さんは、ぜひこの復興の物語に思いを馳せながら、完成間近の首里城正殿を訪れてみてください。2026年秋、正殿の完成を心待ちにしましょう。
まとめ
首里城正殿の復元工事は、2026年秋の完成に向け最終段階です。2025年12月、正殿を覆っていた素屋根が撤去され、約6年ぶりに鮮やかな正殿の外観が姿を現しました。
この「見せる復興」の時期は、沖縄観光で今しか体験できない貴重な機会です。現在、内部の漆塗りや両廊下の工事が進められており、伝統技術の継承という歴史的意義も持っています。
最新情報を確認し、復興の情熱を感じながら首里城を訪れることをおすすめします。
あとがき
筆者は、2019年に復元されたばかりの首里城に初めて訪れました。その時、琉球王朝の豪華絢爛な造りが伝える繁栄の歴史に、ただただ圧倒されたことを覚えています。
だからこそ、テレビで炎上し焼け落ちる様子を観たときのショックは、今も深く心に刻まれています。
今回の復元を経て蘇る新しい首里城が、沖縄の象徴として、未来永劫にわたり多くの訪問者を感動させ、その歴史と文化を伝え続けてくれることを心から願っています。


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